嘘だと言って

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嘘だと言って

あんなに優しく私を撫でた手が 強く抱き寄せて息も詰まるようなキスをしてくれたのに 何度も愛してるっていってくれたのに 一夜の夢のように嘘みたいで 私の手元には何も残らなくて ただ、君が触れた感触 君が見せた笑顔 もたらされる愛情だけ 何が私をそうさせるのだろう 胸がうずき 目の前がぼやけて あの約束は果たされないまま もうありもしない君からの✉ 何度も探す君の影を 最後の最後に何でキスをしたんだろう してくれない方がよかった 忘れろという方が間違ってる 君はただの遊びのつもりなの 心を君に奪われ、抜け殻の私の器に入れるとしたら 偽りの作り出した私 偽りの笑みを浮かべて 偽りの優しさを振り撒く 偽りに偽りを重ね 虚しさで寂しさを埋めていく こんなにも思っていたことに去っていった後ろ姿の君を思うことで胸が締め付けられる こんなにも君を見つめていたんだというリアルにうちのめされる 届かなくなったこの思い 抱き締め続ける伝えられなかった思い
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