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私はMがカウンセリングに入る前に、初診のカルテ記載に目を通した。
主には現在の症状と、生活環境について。
(うーん、あまりおもしろいことは書かれていない)
さらっと読んでみると、主訴は不眠や動悸らしいが、それは職場でのストレスが原因というありふれたものだった。
しかし高橋さんはなぜこれを見て「手ごわそう」と言ったのだろう?
しかもカウンセラーを付けるというのは、やはり何かあるに違いない…
私は、カウンセリングの進捗を待つことにした。
カウンセリングの時間は30分。
その後、ドクターの診察に回される。
私はMのカウンセリングの間、昔のことを思い返していた。
高校時代、私はとにかくダサかった。
一人っ子のせいか、超引っ込み思案で、分厚い眼鏡が追い討ちをかけるように更に私を暗くさせていた。
そんな私とMは、同じ部に所属していた。
ここではあえて何部かは伏せることにする。
初めは、Mも私も普通に話をする仲だった。
しかし高校3年になってから、関係は一変したのだ。
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