存在価値、存在理由

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俺はいつから壊れてしまった? 鈍い灰色の空、降りしきる雨、濡れた髪。 そのすべてがもう後戻りできないことを物語る。 ・・・・・・ああ、いつからじゃない。最初から壊れていたんだ。 普通の感覚なんてもう覚えてない。感じない。何も感じないんだ。 俺って何だ。 俺はいったい何なんだ。 何のためにここにいる? 分からない。何も分からない。 いつか意味を持つのだろうか? 『俺』という人間は意味を持つのだろうか? それを知る時はくるのだろうか? そんなことをぼんやりと考えていた。 鈍い灰色の空、降りしきる雨、濡れた髪。 そこを微かに彩るのは、 鮮やかな赤 。
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