港にて

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まるで悲しみを追い出すかのように 街をぬけ海に出た まるで心を見透かすように 海が青かった 波止場から出ていく船が 小さくなってやがて点になるまで 見つめていたら 海に吸い込まれるように 心が海に向かった このままだと 悲しみに足をとられて動けなくなる このままだと 振り向くことが恐くなる そんな衝動にかられた時 帰ろうと風が誘った
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