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「いい天気だなあ。狸。」
「うむ。うとうと、してしまうのお。」
俺の名前は翠樹 薬嗣(みどりぎやくつぐ)会話を交わすのは、喋る狸。この狸は、普通の狸じゃない。なんでも、物凄く偉い狸で喋るし、不思議な力を使う。何故、そんな狸が俺の所にいるかというと、話をしたら長くなる。軽く説明すると、俺は普通の人間では無く、天界・人界の春を司る神様らしい。(俺には、天界での記憶が無いので、これは、狸達に聞いた話。)その俺を助けてくれるために、此処にいる。何故助けられるかというと、……後から嫌でも判るから、今は敢えて言わないでおこう。
「そういえば、坊はどうした?」
「宗?理事長に呼ばれて、理事長室に行った。」
宗とは、俺の秘書、法樹 宗(ほうじゅそう)だ。なんでもこなす、スーパー秘書。まあ、変わった特技を持っている。理事長の蒼樹涼(あおきりょく)とは、本当の親子だ
「………親子対決再びか……。」
狸の一言に、俺は数日前に見た、絶対零度の親子対決を思いだした。
「……今日はどっちが勝つのかな……。」
「考えるだけ、時間のむだじゃよ。」
狸に言われて、妙に納得してしまう、俺だった。
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