36人が本棚に入れています
本棚に追加
東京に到着してからすかさず母から携帯を借りた。
プルルルル……。
「もしもし?あやかだよ」
『あーや?』
「うん。東京着いたよ」
『そうかい。良かった』
「じいじ。」
『ん?』
「あのね私もう泣かないよ。約束果たすために。それにじいじが泣くときは本当に悲しい時って言ったから」
『そうか。わしもあーやと別れるのはツライよ。じゃけど出会いがあれば別れは来る。それに会いたいと想い続ければ会えるから。だからわしが死んだ時に泣きなさい。な?』
「意味分からないよ」
私はばいばいと一言言ってから電話を切った。
じいじは軽い気持ちで言ったのか自分が死んでから泣けと言った。
私は裏切られたような絶望感に襲われじいじとの距離感を感じぽっかりと穴が開いたように感じた。
そして胸がズキっとしたかのように苦しくなった。
その切なさは1週間経とうが1ヶ月経とうが穴は閉じることをしなかった。
けれど普通に幼稚園に通い、冬休みになりと時間だけが過ぎ去った。
最初のコメントを投稿しよう!