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「じいじー」
『あーや』
「ただいま」
『待ってたよ』
何となくだがじいじのいつものような優しい笑みが小さい気がした。
時は夜中。
トイレに行きたくなった私は母を呼んでトイレについてきてもらった。
そしたら先に入ってる人がいた。
鍵が開かなく仕方なくノックした。
『…』
「…じいじ?」
『ぁ…!あーや』
「大丈夫?」
『あ…うん。早よ入れ』
「うん…」
母が早くしなさいと言ったからトイレに入った。
じいじも母も何か私に隠し事をしているように見えた。
じいじが泣いていたから。
鼻が赤くなっていたから。
おばあちゃんも母も毎朝出掛けるってどこかに出かけていたから…。
何が悲しいの?何を隠しているの?ねぇ…。
そんなに言えないことなの?幼いからまだ小さいから家族の異変くらい分かるよ。皆が本気で笑ってないってことくらい分かるよ。
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