プロローグ

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「どうしても自分で取りたいんです」 頑としてそう言うと、彼女は財布からさらに千円札を引き抜き、僕に差し出す。 「ごめんなさい。両替してきてくれませんか?」 「え? ああ、かまわないよ」 熊なのに角がある、なんのキャラなのかも不明なこんな人形に、どれほどの価値があるのかはわからない。 僕なら五百円使って取れなければ辞めてしまう所だが、彼女は決して諦めようとはしなかった。
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