二匹の野うさぎ。

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    昔々ある森の奥深くに野うさぎが二匹暮らしてました。 茶色いうさぎと白いうさぎ、 二匹はいつも一緒に遊んだりご飯を食べたりしていて 移動するときもいつも一緒、 寝るときも一緒で、一緒に居ることが当たり前になって居ました。 ある日いつものように二匹仲良くクローバーを食べていたら、白うさぎがぼそりと呟きました。 「僕たち、いつまで一緒に居られるかな…」 「勿論、死ぬまで一緒だよ?おじいさんおばあさんになったって、生きてるうちは一緒にご飯食べて一緒に寝て…」 笑顔で語る茶うさぎに、白うさぎは真剣な眼差しで言いました。 「…もし明日僕が死んだら…君はどうする?」 「ー…何、その質問」 茶うさぎのクローバーを掴む手が止まりました。 「なんでそんな質問(こと)…聞くの?」 「…なんとなく。昨日、思ってさ…」 白うさぎははむ…とクローバーを口に運びます。 茶うさぎは俯き、クローバーの葉っぱを一枚毟りました。 「ー…後、追うよ」 「…ふーん」 「君が死んだら!!…僕は君以外友達が居ない。だから…」 ー後追うから…、 声を震わせ言う茶うさぎの頭を白うさぎは優しく撫でました。 「…なんで泣いてるの…」 白うさぎの赤い瞳からは雫が零れ落ちました。 綺麗な…とても綺麗な雫でした。 「っ…ご、めっ……」 ぐし、と涙を拭っても止まることの知らない涙を 茶うさぎは優しく、優しく拭いました。 「どうしたの…?急に変な質問して…」 「んーん…なんでもないの」 白うさぎはえへへ…と下手に笑い、質問の意図を決して言いませんでした。 「あまり…無理しないでね?」 「ありがと…。そろそろ寝ようか」 白うさぎは立ち上がり、素穴に入っていきました。 「…無理、しないで……」 茶うさぎは白うさぎの質問が引っかかりましたが聞き出せず静かに白うさぎの後を追いました…。  
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