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「……和也はずるいよ。
私の隣から離れて行ったのは和也だよ。
私はずっと隣にいた。
いつだって和也の隣から離れたいなんて考えてなかった。」
私はまた夕日の方を見つめた。
「私ね、隣で支えてくれる和也がいなくなって初めてわかったの。
私は一人で立つことすらできない弱い人間だったんだって。
立ちたくても立ち方がわからなくて嘆き悲しむことしかできなかった。
一時は死んでしまおうとしたくらい。」
私はわざと笑って言った。
和也は険しい表情で俯いていた。
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