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和也は黙って俯いてしまった。
「私ね、人の心って硝子のようなものだって思うの。
硬くて綺麗で大切に使っていればその形も色も変わることなくその姿を留めていられる。
だけど簡単な衝撃で傷つくし、酷ければ粉々に壊れてしまう。
そして二度と全く同じ形に戻ることはないの。
どんなに姿形を同じく作ったって同じものを作ることはできない。
私の心は粉々に割れてしまった。
だからもうもとに戻ることなんてないの。
あなたといても割れたままのこの心は割れてしまった破片にいつまでも傷をつけられてしまう。
あなたとじゃ新しい形を作ることなんてできない。
私はあなたと離れて新しい形を作っていきたいの。」
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