*私の気持ち*

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私は何もなくなった左手の薬指を見つめた。 とても小さな銀の指輪。 私と和也を結んでいた小さな指輪。 もう無くなったんだ。 私の瞳からは次々と大粒の涙が溢れ出していく。 「…ごめんね、陽介。 明日からは、お母さんもう泣かないから。強くなるから。 今日だけは、今日だけは許してね。」 涙は止まることなく流れていった。 和也と陽介との三人の思い出を洗い流すように。
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