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地球、いや、今は[メサ]と呼ばれるこの惑星に存在する第二代目文明。
既に[世界終焉]から約1000年が経過していた。
あの後、直ぐに復興を果たし、元人類であるコーカスの一族は世界中に散らばった。
思想を共通した者たちが集まった結果、巨大な五つの国と、不確定多数の小国が建国されていた。
そして、五大国の内、特に強大な力を持つ、北・南の二国が共同で政権をコントロールしていたのだ。
コーカス(人類)は再び[世界終焉]を繰り返すことがないよう、国土面積にも制限をつけ、
結果、この惑星の陸地の内の約60%が森、15%が山岳、10%が草原、10%が砂漠、5%が科学国土によって構成され、慢性的な[科学飽和]を回避した。
一般的に国を持たず、世界を旅している者も多く、[冒険者]と言う俗称で呼ばれた。
但し、国の外に無数に存在する[カロイド]に冒険者が殺害されることは珍しくない。
しかし、冒険者もそれを承知で旅をしているので、特にどうというわけではなかった。
凶悪な件は別だが。
とは言ったものの、ここ1000年は大した問題もなく、平和な世界が続いていた。
ーーーある二つの圧倒的力によってーー
しかし、やはりコーカスと種族名を改めても、人類は愚かであった。
争いのない世界は、まず不可能なのだ。
五大国の一つ[ネグリア]が不穏な動きを見せ始めた。
[カロイドニウム]を発見し、世界を救ったとされる研究者ネグリアから名付けられた極北端の国。
この国の周辺の小国が、ある時期から突如として襲撃され、陥落したのだ。
極南端の大国である[カノン]は幾度か警告を発したものの、通信が完全に断ち切られており、応答はなかった…
また始まったのだ
ーーー戦争がーーー
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