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これを説明するのが、オーストラリアの研究者・メンデルがエンドウの交雑実験により発見した『遺伝の三法則』の内の一つである『優性の法則』だ。
この法則は
『親からそれぞれ違った形質を発生させる遺伝子を受け継いだ場合、優性である方の形質だけが現れる』
と言うものである。
例えをあげるなら、父親から『巻き毛』になる遺伝子を、母親から『直毛』になる遺伝子を受け継いだ場合、子供は優性形質である『巻き毛』になる。
またこの時現れなかった『直毛』の形質を劣性形質と言い、この遺伝子は現れなかったものの、しっかりと存在している。
これを踏まえた上で説明すると[カロイドニウム]を含んだ遺伝子の形質は「超劣性形質」と言えるのだ。
[世界終焉]以降、全てのコーカスの中に存在する[カロイドニウム]は、殆どの場合、他の形質により抑制されて姿を現さない。何せ「超劣性形質」であるから、当然である。
それでも僅かに漏れてくる[カロイドニウム]の力の片鱗を行使する事により、コーカスは魔法の真似事をする。
ーーーしかし、この1000年という時間の後。
ここでイレギュラーが発生したーーーー
そう、それが[孤国]の実態
何世代も子孫を残す過程において、奇跡的確率でDNA配置が動いたのだ。
ーーー結果[カロイドニウム]の形質が、他の形質に抑制される事なく発現した。
僅かに漏れた力だけでも魔法の真似事ができる[カロイドニウム]形質が、100%の状態で機能するーーー
ーーーその力は[カロイドニウム]と言う人類史上最悪最高最強の未元物質を行使する力ーーー
それが『一体で一国と同義』を成し得る力の正体なのだ。
そして世界にたった二人しかいない[孤国]の内の一人、
[死神]
彼は今、極北端国[カノン]の宿舎のとある一室に、数名の仲間と共に居た。
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