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八畳程度のなかなかに広い部屋は、緊張感に包まれていた。
シグナ、ヘッドホンをしてPCを操作している細身の男、銃器の手入れをしている双子と思われる二人組。
そして、如何にも怪しい黒コートで全身を包み、フードで顔を隠している[死神]
人数は五人。皆、無言だ。
そんな重苦しい空気の中、口火を切ったのはシグナだった。
「みんな、もう知っていると思うが次の指令が決まった。上からの、それも最上位会談で決まった至上命令だ。もちろん俺達に拒否権はない。」
実はこの五人、最上位役員会直下の、戦闘の先鋭が集まる[第一最前線部隊]であり、各分野のエキスパートが揃っている。
ヘッドホンの男が収集し、得た情報をもとに、最前線で戦う双子を支援しつつ、自らも戦闘に参加するシグナが部隊長である。
[死神]は通信装置でシグナの指示を聞きながらの単独行動を担当するのだ。
「で、何?今度は。何を潰せばいい?」
「軍隊?カロイド?もしかして龍族?」
銃器を拭く手を止めて、双子が別々に聞いた。
しかし、シグナは首を横に振る。
「いや、違う。そうなら良かったんだが。残念ながら、な。」
シグナはそこで一旦言葉を区切った
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