本編・男

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一方その頃、[死神]を連れ出したリリィとルルの三人は、詰め所の中庭にある芝に座っていた。 「ねぇ[死神]?」 少女の声だ。 そう、リリィとルルは双子の姉妹だ。二人とも[死神]に懐いているのか、寄り添うように座っている。 口調も年相応の柔らかいものに変化していた。 「どうしたんだ?リリィ」 そしてその呼び掛けに応えた声は、まだ15、6歳程の少年の声だった。 「……君なら簡単に[国殺し]に勝てるよね…?」 少し震えるような声だった。 [死神]をしょぼくれた顔で見つめている。 [死神]はフードで隠れた顔で小さく笑った。 そしてリリィとルルの頭に手を置いて言った。 「俺が負けるわけないよ。いや、負けない。」 「でも……でも[国殺し]も強いよ?」 次はルルが泣きそうな顔で言った。 「俺は[死神] 死を司る神だよ。 [国殺し]は国を殺しただけのコーカス。……また、絶対ここに戻ってくる。そしたらまた銃術を教えて上げる。だから心配ないって。」 そう言って二人の頭をポンと叩いた。
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