329人が本棚に入れています
本棚に追加
一方その頃、[死神]を連れ出したリリィとルルの三人は、詰め所の中庭にある芝に座っていた。
「ねぇ[死神]?」
少女の声だ。
そう、リリィとルルは双子の姉妹だ。二人とも[死神]に懐いているのか、寄り添うように座っている。
口調も年相応の柔らかいものに変化していた。
「どうしたんだ?リリィ」
そしてその呼び掛けに応えた声は、まだ15、6歳程の少年の声だった。
「……君なら簡単に[国殺し]に勝てるよね…?」
少し震えるような声だった。
[死神]をしょぼくれた顔で見つめている。
[死神]はフードで隠れた顔で小さく笑った。
そしてリリィとルルの頭に手を置いて言った。
「俺が負けるわけないよ。いや、負けない。」
「でも……でも[国殺し]も強いよ?」
次はルルが泣きそうな顔で言った。
「俺は[死神]
死を司る神だよ。
[国殺し]は国を殺しただけのコーカス。……また、絶対ここに戻ってくる。そしたらまた銃術を教えて上げる。だから心配ないって。」
そう言って二人の頭をポンと叩いた。
最初のコメントを投稿しよう!