挿入章・魔法・正体

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[情報操作]に目覚めるコーカスは稀で、その確率は10000分の1。まさに万が一の確率でしか発現しない。 彼らは他のコーカスとは違い、[情報断層]を狂わせることはできない。 しかし、情報を向こうに送信できない代わりに、‘受信’が出来るのだ。 つまり、[情報断層]から視覚情報をえれば、向こう側の世界を見ることが出来るし、より‘高画質’で複雑な情報を受信すれば、あたかも[情報断層]の内部に居るように、探索も出来る。 [情報操作]のコーカスがその能力により、[情報断層]の存在を証明したのは、まだそんなに過去の事ではない。 しかしその理論が、今まで何となく使っていた‘魔法’の正体を証明したのだった。 その後、コーカスは[情報断層]世界を探索し、地球上の世界だけだがそれを終えた。 何せ、この次元の宇宙全ての裏側次元に存在するため、その広がりは果てしない。 しかし、そのほんの一部の探索から、コーカスは数え切れない理論を成立させた。 その結晶こそが[完成人工頭脳]である。 しかし実際の所、ソレは[人工]ではない。 何一つ、コーカス(人間)が創った部分は無いからだ。 [完成人工頭脳]の正体。 それは、[情報断層]に無数に存在する情報統括部位をコピーして、貼り付けただけの、何とも他人任せなものだった。 その情報を貼り付けられたのが、宇宙にある五つの衛星である。 しかし、もっとも重要な‘意思’の部位は、現在欠如している。 ‘意思’は完全独立した超巨大情報統括デバイスであり、自らで自らを更新し、自らを地上に具現化させることも容易である。 何せ、[情報断層]に‘自らの身体’のイメージを送信するだけなのだから。 コーカスにはまず不可能だが、[情報断層]出身の‘意思’には関係ない。 この次元に強制貼り付け…とも言おうか、された‘意思’は、現在もこの世界のどこかを彷徨いている。 しかし、実害はなく、存在しているだけで衛星デバイスを統括してくれているので、なかば放置されている。 それが後々、大きな問題になるとも知らずに
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