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「咲美ィ」
僕とそっくりな顔のそいつが走ってくる。
手を広げて待っていると僕の胸の中にとびこんできた。
「どうしたの?」
優しく頭をなでると不満そうな顔をする。
「頭はなでるなって。
ぐちゃぐちゃになるじゃん。」
本当は子ども扱いするなって言いたいくせに、とびこんできたから言えない。
言わない。
適当な理由をつくて言う
その行動が可愛いから思わず笑ってしまう。
するとすぐに笑うなって怒られた。
素直に謝ると怒った顔を崩してニッコリ笑う。
「ところでどうしたの?」
「これあげるよ。」
そう言って僕の手に握らせたのは自分の名前の入ったキーホルダー。
意味がわからなくて首を傾げると、ポケットから僕の名前の入ったキーホルダーを取り出した。
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