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罰せられるべきはニンゲンたち。抵抗するのが間違っている。幼き頃よりそう聞かされていた私。
正直、私にはかようなことはどうでもよかった。
ニンゲンたちを支配したい。その理由は彼らの中でも《勇者》と呼ばれる存在が私の部下、もとい仲間たちを殺して回っているのが耐え難かったのだ。
別に私は世界の頂点などという地位を手に入れたいわけではない。ただ仲間の死を断ち切り、平和の中で生きたい。その考えからである。
始めのうちは停戦も視野に入れ、使者をニンゲンたちに出した。
しかし驚くことに彼らは拒否の答えを出してきた。かつて魔王はそう言ってニンゲンに近付き、その後一気に攻め入ってきたことがあるのだと。
ゆえに今回の話も信用ならんのだと。
……彼らと共存など出来ぬのか。
私は、無性に悲しくなると同時に必ず少ない犠牲で世界を征服しようと心に決めた。
しかし、後にその考えは間違いだと気付くときが来た。そもそもこの段階で諦めるのがおかしいのだと。
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