一章

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「無礼ながら申し上げますわ王様。 私どものような獣を側に置いては皆お困りになるのでは?」 クスクス笑い声とともにヒラヒラ踊り、花びらが舞い続ける。 「よぃのじゃ。 そなたらは人間そのもの、舞う姿を見られなければ誰もわかりはせぬ」 満足そぅに女達を見つめる王様。 そぅ、獣に毒された王様。 女の一人がヒラヒラ舞ながら王様の前に立ち、ひざまつく。 ゆっくりと王様の手をとる仕草もまた美しい。 「しかし王様、 私達の額のあざは獣の証。 賞金稼ぎなら一目でお分かりになりましょぅ」 王様の手に軽く口づけをし、またクスクス笑い声とともにヒラヒラと踊り出す。 「安心せょ、そなた達に良いものを手にいれた。 今日の夜にでも届けさせよう」
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