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そんな恭平と薪森のやり取りを黙って見ていた僕は、少し空気が変わった様に感じた。 薪森は小学校でもモテたのに中学に入った直後にこれだし、薪森に構う男なんてこれからも沢山現れる。 ずっとそれに我慢出来るんだろうか。 恭平も、僕も。 「ねえ、ていうかこんな所で立ち話してないで帰ろうよ」 一年一組の教室前で立ち止まったまま話していた僕達は、薪森のその一声で気付かされた。 「あ、だな。帰るか!」 やっと笑顔に戻った恭平が一歩先にその場から歩き出し、薪森と僕も恭平に続いて廊下を歩き始める。 元の朗らかな空気に戻り、僕は勝手に安堵して独り小さな溜息を溢した。 「遼、今日は剣道あんの?」 「今日は無いよ」 「じゃあこのまま家来いよ!桜も来るだろ?」 「うん」 恭平の誘いにより、僕達三人は恭平の家で遊ぶ事になった。 恭平は友達と遊ぶ時、そこに薪森を加える事がよくある。 だから恭平は僕を含む自分の友達に対し、危機感が少し足りないんじゃないかとも思う。 もしも友人の誰かに薪森を取られたらどうするんだろう。
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