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薪森 桜も恭平と同様に幼稚園も同じだったが、同じクラスになった事は一度も無い。 その薪森の睫毛が長くクリッとした大きな瞳に見つめられ、人見知りな僕は硬直してしまう。 すると彼女はにっこり微笑んだ。 「あ、私も小木原くん知ってる。剣道強い人だよね?」 初めて会話する僕にも明るく話し掛けてきた薪森に、僕は不覚にも少しドキッとしてしまった。 「へ?遼と知り合いだったのか?」 「話した事は無いけど、友達から小木原くんの話よく聞くから」 「へ、何それ!さてはそいつ遼が好きなんじゃね!?」 互いに笑顔で会話する恭平と薪森の様子に、僕は無意識に眺め入っていた。 有名人二人の仲の良さも、二人は家が隣同士で幼馴染みという事も有名だ。 学年一の人気者である恭平が、学校一の美少女である薪森と幼馴染み。 そんな目立つ二人の噂は自然と耳に入って来る。 特に薪森はそこらの芸能人よりも可愛いので、男子達は年中薪森の話で騒いでいる。 だから彼女に一番近い存在の恭平は、ある意味では男子から妬まれる存在なのだ。
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