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「な、蔵馬。お前あの蔵馬 恭平の弟なの?」
ふと気付くと、三年生の主将達や僕の同級生達が興味津々に柊平の元へ集まっていた。
「そっすよ」
「似てんなー。特に目」
「えー?俺の目のが綺麗じゃないすか!」
「はは!ウケんな、お前!」
柊平は恭平への対抗心で言った事だが、それを知らない皆は柊平の切り返しを気に入った様だ。
「蔵馬の弟って事はお前も薪森と幼馴染みなんだよな?」
「勿論」
「な、薪森とお前の兄貴ってほんとにデキてねーの?」
「は!? 全然デキてないっすよ!何言ってんすか!」
校内で噂されている話題や恭平と薪森についての真相を確認する先輩達に、柊平は力強く否定した。
その柊平の否定は、二人の現状を教えたというよりも絶対に認めたくない気持ちの方が大きい。
僕自身がそうだから、柊平も同じ気持ちなんじゃないかと感じる。
「そっか、そうだよなぁー」
「なら良かった!」
「なあ、薪森ん家ってデカいんだろ?薪森の部屋どんな感じ?」
「やっぱ良い匂いすんの!?」
柊平の否定で上機嫌になった皆は調子に乗った質問をしている。
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