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あの日を機に、恭平と一緒に居る事が当たり前になっていた。 友達が多い恭平は自分の友達と僕の仲を取り持ち、恭平の友達とも仲良くなっていった。 僕の友達も人懐こい恭平と直ぐに仲良くなり、自然と友達の輪が広がっていく。 恭平と友達になった事で、より楽しく感じる日々を送っていた。 そしてとある日の放課後、初めて恭平の家へ遊びに行く事になった。 恭平の家は僕の家と同じ位の大きさの2階建ての一軒家で、徒歩七分程という近場に在る。 それよりも印象的なのは、恭平の家の向かって右隣に建つ家だ。 恭平の家と裏の家の二軒分ある大きな敷地に建てられた、番地の角の大きな一軒家のデザイナーズハウス。 シンプルな様で凝ったデザインの洒落た邸宅は、平凡なこの並木町では異質な建物で、薪森の家が裕福だという事が一目で分かる。 薪森がフランス人とのクォーターだという事を知った上でこの住宅を見ると、薪森は僕達とは別世界の人間なんじゃないかと思えてきた。 隣の恭平の自宅が僕の自宅と同じく普通なので、それと薪森の立派な自宅を見比べると、どうしてもそう思ってしまう。
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