1章:桃太郎の謎

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まず、生い立ちだ。 俺は桃の中から生まれた (と、じぃさん ばぁさんは言ってた)。 これは一体どういうことだろう? 生物学的に検証するなら、生物が子孫を残す場合、同種の生物しか残せない。 つまりは猿からは猿しかできないし、タンポポからはタンポポしかできない。 となると俺はどうなる? 桃から生まれたならば、俺は桃でしかあり得ない。 つまり俺は桃か? いや、それはあまりにもおかしい。 例え地球の形状が立方体であろうともそんなことはあり得ない。 何故なら、 …というか説明するのもおっくうだが、俺は桃としての機能を何一つ持っていない。 …それ以前に俺は少なくとも動物だ。 桃は植物。 この時点で桃と俺には大きな差が存在する。
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