プロローグ

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  不思議なことなんか、あるわけない。 小さい頃から私は、絵本は絵本、動物もお花もしゃべらなくてサンタさんもいなくて不思議の国も無い、と理解する冷めた子供だった。 空想など思い描くのは時間の無駄。私たちはこの現実世界で生きるしかないのだ。 なのに…なんだろう? さっきから視界の端にちらつく白い物体は? (…ウサギー!!) なんで、やっぱりさっきのウサギだ、夢じゃなかった。 それにしても学校の中に、なんでウサギが?どこから紛れ込んだんだろう、誰かが連れてきたペットだろうか。 『ねぇ、やっぱりウサギが!』 ウサギを指さして、さっきの友人に話しかける。 「え?どこ?」 『ほら、そこに!』 「何もいないじゃん、どうしたのありさ…大丈夫?」  
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