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上質な素材で作られたドアを軽快に叩くノック音が、訪問者が来たことを教える。
「どうぞ」
ちょうど、チェスでジルにチェックメイトを差したところだった。
そんな絶妙なタイミングで、ジェイドがジャックを後ろに連れて部屋に入ってくる。
「『ルーク』を変に動かすからだ」
『千里眼』と盤上の状況からある程度のプレイを読み取ったジャックが、ジルにアドバイスをする。
悔しさのあまり、黙り込んだままジルがチェスの駒の配置を元の場所に並べ始めた。
「ではいいかな、キリアにジル?」
ジェイドとジャックがソファーに座り、この部屋でいつも会議するように、テーブルを挟んでそれぞれと向かい合う形となる。
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