1.悔悟<side亨>

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「いらっしゃーい♪」 金曜の夜。 家に帰りつく直前の呼び出しメール。 『いつものbarに11時ね。』 時計の針はあと5分で11時を指そうとしている。 ・・俺の回りにはこんなのしかいないのか? はぁ・・ あからさまにため息をついた俺を、横目でにらみつけるのは河崎紗代子。 大学受験の時の家庭教師で当時の彼女。 今は・・よくわからない関係。 「なによ、来て早々嫌な感じね。」 そう言って、年甲斐もなく頬をふくらませる。 どっちかと言えば童顔だから、まだその芸当つかえなくもないが ・・使う相手間違えてるだろ。 というか、そんなことより 「・・いきなり呼びつけるのいい加減止めろよ。」 毎度毎度、呼びつけられる身にもなれって。 「散々な言い方ねぇ。 金曜の夜に、一人寂しい思いしてるんじゃないかと思って誘ってあげたのに。」 おい。 なんだよ、その上から目線? 「・・お前が暇人なだけだろ?」 グラスのカクテルを一気に空ける。 別に俺は、寂しいやつなんかじゃない。 ・・余計なお世話だ。
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