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―――――
―咲春視点
「……っ…」
「睦月、そうカリカリするな。お前らしくない。冷静に、星のことを考えれば…分かるだろ?」
神無月の台詞が頭の中で木霊(コダマ)するように何度も蘇(ヨミガエ)る。
「神無月」
「ん?何だ?」
「今から集中するから話かけるな」
すると、神無月は笑いながら溜め息をつく。
「……了解…」
神無月はそう言うと、部屋の中の本を読み出した。
…俺は…、仕事に集中する。
今日は診察とか、そういうのは俺には回って来ていない。
その分、カルテやらの書く類の物が多い。
だが俺にとっては都合が良い。
…俺のペースで出来る。
周りなんか関係ない。
…星の為に…。
……星が待つ場所まで…。
俺は帰る。
一秒でも早く。
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