3892人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
家に着くと、星をベッドに寝かせる。
寝息はまだ少し不規則。
取り敢えず、星が目を覚ますまでは体温を下げることにする。
後は、いつ起きても良いように、お粥を作る。
病人がいると、割りと大変だ。
…それでも、星が好きなんだけどな。
「…星……悪かったな…」
一通りの準備が整うと、俺は星の元へ行く。
サラサラしてそうな髪に思わず手を伸ばす。
「…一人は寂しかったよな…」
…神無月の言ってたこと、少し分かった気がする。
…俺がいないから、星が寂しがる。
幼い頃からずっと一緒にいた俺達。
尤も、俺が離したくなくて結婚までしたんだが。
それが急に離れる。
星にしても、寂しくないはずがないんだ。
…もう、離すものか…。
俺は、眠っている星の前で…、そう誓った。
最初のコメントを投稿しよう!