3892人が本棚に入れています
本棚に追加
/170ページ
「…顔を上げろ」
…ムリだよっ!
今真っ赤なのに、見られたら恥ずかしいっ。
余計真っ赤になっちゃう。
「…ム…リっ!」
春兄の方にもっと顔を寄せる。
「……上げないともう一回するぞ」
…その言葉の意味が分かった私は、急いで顔を上げる。
さっきの春兄の行動が蘇る。
…春兄が固まってる…。
ほら、やっぱり。
真っ赤だった分、不細工だったんだよ。
ジーッと見ると、春兄が私から顔を逸らした。
……ショック…。
「…星…」
「…何?」
「お前は俺に生き地獄を見せたいのか?」
……い…生き地獄!?
「ダメだよ!そんな危ない所!見ちゃダメだよ!」
私の言葉の後、春兄はまた少し笑うと私の頭を撫でた。
最初のコメントを投稿しよう!