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―咲春視点
俺が仕事を一時中断させ、昼時だったことから昼食を取っていると、ドアからノック音が聞こえてきた。
この謀(ハカ)ったような時間に来るのは一人しかいない。
「神無月か。入れ」
「正解。流石だな」
別に褒められても嬉しいとは思わない。
相手が相手だから。
「何の用だ。只の暇潰し、と言う訳ではないだろう」
俺が言うと、然程(サホド)驚いた様子もなく「流石…」と感嘆していた。
「で、何の用なんだ」
同じ問いをする。
すると神無月はどこからか一枚の紙を出し、渡される。
「今度、月神一族の中だけでパーティーが行われる」
神無月が持つ紙を受け取り、見ると日にちは今週の土曜日。
即(スナワ)ち。
「明後日か…」
「うん。恐らく星の所にも如月、葉月が言いに言ってるハズだ」
…パーティーか…。
「勿論、俺達は月神一族の当主だから強制参加。でも星は別。無理して出席させることはない」
確かに、星は正式な月神一族の当主ではないから出席させる必要はない。
「体調も崩れたらいけないんだろ?」
それもあるが、星はパーティーが苦手だ。
無理はさせたくない。
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