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「…ま、今悩んでも仕方ねぇよ。星の意見も聞いてから考えても、遅くはないからな」
それも一理ある。
神無月にしてはまともなことを言う。
歳の割にふざけた奴だが、迷った時とかは道を示してくれる。
「……そう…だな…」
俺はそう言うと、神無月から貰った紙を机の仕事の邪魔にならない様な場所へ置く。
「取り敢えずは、目の前の仕事…だろ?」
分かってる。
まずは目の前の物を何とかしないと始まらない。
「神無月」
「…はぁ…」
俺の言いたいことが分かった様に溜め息をつく。
「睦月様は人使いがお荒い様で…」
「分かってるなら行動に移せ」
「…了解…。この資料から?」
そう言って、手近な資料から取っていく。
「あぁ。頼む」
仕事を手伝ってもらう。
神無月はふざけた奴でも月神一族だ。
仕事慣れをしている。
瞬時に資料に目を通し、的確に仕事をこなす。
いくら医者ではないといえど、神無月は全ての物事を扱える。
人のことが関わる仕事は俺が全てするが、直接関わらないことは手伝ってもらう。
これで今日も早く帰れそうだ。
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