-relative-

10/14
前へ
/170ページ
次へ
「…ま、今悩んでも仕方ねぇよ。星の意見も聞いてから考えても、遅くはないからな」 それも一理ある。 神無月にしてはまともなことを言う。 歳の割にふざけた奴だが、迷った時とかは道を示してくれる。 「……そう…だな…」 俺はそう言うと、神無月から貰った紙を机の仕事の邪魔にならない様な場所へ置く。 「取り敢えずは、目の前の仕事…だろ?」 分かってる。 まずは目の前の物を何とかしないと始まらない。 「神無月」 「…はぁ…」 俺の言いたいことが分かった様に溜め息をつく。 「睦月様は人使いがお荒い様で…」 「分かってるなら行動に移せ」 「…了解…。この資料から?」 そう言って、手近な資料から取っていく。 「あぁ。頼む」 仕事を手伝ってもらう。 神無月はふざけた奴でも月神一族だ。 仕事慣れをしている。 瞬時に資料に目を通し、的確に仕事をこなす。 いくら医者ではないといえど、神無月は全ての物事を扱える。 人のことが関わる仕事は俺が全てするが、直接関わらないことは手伝ってもらう。 これで今日も早く帰れそうだ。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3892人が本棚に入れています
本棚に追加