-party-

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「とにかく、大丈夫だから。睦月から離れるなよ」 幾さんはそう言うと、私達から離れて行った。 「…俺から離れた時は必ず月神一族の誰かといろ」 「……?」 良く分からない…。 どうして? 「…こちらの都合だ。気にするな」 …春兄が言うなら…。 「……星!?」 遠くから声がした。 聞き覚えのある声。 …この声は…。 「皐ちゃん!」 月神一族の師走、皐ちゃん。 その声を聞くと、私は春兄に下ろしてもらう。 「久しぶりっ!やっぱ可愛いわっ!」 皐ちゃんが私に向かって抱きついてきた。 ビックリしてバランスを崩す。 そこを春兄が支えてくれた。 「ありがとう、春兄」 「…あぁ。師走、こういうことは…」 「はいはい。全く、星依存症が。この野郎」 …うん。 聞かなかったことにしよう。 「そうだ」 「…何?」 皐ちゃんが何か思い出した様に声を出す。 「同じ年なのに霜月は会えて私は星に会えないのは非常に嫌だから…」 皐ちゃんは私の顔を見て、ニッコリと笑う。 「私、星の学校に転校するわ。勿論、星のクラスにね」
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