-back-

6/22
前へ
/170ページ
次へ
「何か分かっていることは?」 如月が葉月を止めながら俺に言う。 コイツも俺のことをあまり良く思っていないハズなんだがな。 俺は、月神一族の中でもあまり良くは思われていない。 理由は『睦月』だから。 十分な根拠だ。 それもここまで変わったのは間違いなく、星のおかげだろうな。 「…俺もさっき気付いてな。まだ何も。このメールから割り出せないか?」 「…それは、発信者ってヤツをか?」 霜月が言うが、『発信者』? 「違うな」 言い切る。 当然。 そんな呼び名さえくれてやんねぇよ。 「哀れな塵(ゴミ)だ」 そう、これからどうなるかも知らない、『哀れな』奴さ。 「…良いだろう。その役割は俺が引き受けよう」 神無月が星の携帯を取って、早速メールの確認を始めた。 「葉月と師走、霜月は星の警護を頼む。如月は神無月のバックアップ。…俺は……」 ニヤリ、と笑みを浮かべる。 簡単には終わらせない。 じっくりと楽しませて貰うぜ? 精々今を生きるんだな。 『今』ダケ、な…。
/170ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3892人が本棚に入れています
本棚に追加