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日の光が彼女の黒髪と色白の肌を一層際立たせ、
開いた窓の間から彼女の首元を掠めてゆるりと風が通る。
嗚呼…、綺麗だな……。
紗奈加は彼女を凝視した、
すると不意に彼女と目が合いその視線が外せなくなった。
「……クスッ。」
彼女は微笑んで私を見ていた、
私は少し頬を赤らめながらパッと前になおった。
「……ぎ、君!…柚木君!!」
「っ!?はい!!」
ガタリと椅子から立ち上がり先生の話を聞いた。
「…はぁ~……全く…、
この問題の答えを言いなさい。」
呆れたように先生は言った。
私はボーッとしていた頭を急いで回転させた。
「えっと…、上宮聖徳法……。」
それでも混乱は収まっていなかった…、結局私は分からなかった……。
「……分かりません…。」
「…まったく君たちは、
少し浮かれているのではないのかね?」
そう言って先生は、
隠顕な顔にますます眉を寄せて怒り始めた。
「外国のアーティストや雑誌などに気をとられる前に勉強をしなさい、大体最近の若者は「答えは、上宮聖徳法王帝説と元興寺伽藍縁起、イコール併の旁の部流記資材帳で御座います。」
そう言ったのは高瀬さんだった…
「……あっ…。」
その問題は誰も解けないだろうと思っていたらしく、
高瀬さんが難無く解いたのを見て呆気に撮られていた。
そんな先生の顔を始めて見た生徒たちは、クラスの全員でクスクスと笑った。
しかしそんなクラスの雰囲気を他所に、私は彼女への興味をどんどん深めていった。
……高瀬さん…。
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