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見慣れない景色、周りには木、木、木、虫食い花。足元には道無し、ぶっちゃけ……なくても一目瞭然、迷子だ。
「もう、どこだよここォォォー!!」
そう叫んで肩をガックリ落とす。この、今にも泣き出しそうな顔をしている少女の名はマートル。マートルはそのままその場にうずくまってしまった。
マートルは現在、一人旅をしている。別に両親がいないとか、家庭の事情とか、そういったものではない。
一応、家庭の事情……なのかもしれないが。
マートルの親は二人とも元気だし、……今でもバカがつくほどのラブラブカップルだ。
その両親が一週間ほど前にいきなり、
『マートル、世の中では可愛い子にはなんとやらっていうらしいぞ。さあ、そういうことで行ってらっしゃい』
……と、まあどういうことかわからないまま大ッッ変な旅が始まった。
あのラブラブバカッポーは新婚気分丸出し旅行にでもいってるのだろう。
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