第1章 少年とイノシシと

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見慣れない景色、周りには木、木、木、虫食い花。足元には道無し、ぶっちゃけ……なくても一目瞭然、迷子だ。 「もう、どこだよここォォォー!!」 そう叫んで肩をガックリ落とす。この、今にも泣き出しそうな顔をしている少女の名はマートル。マートルはそのままその場にうずくまってしまった。 マートルは現在、一人旅をしている。別に両親がいないとか、家庭の事情とか、そういったものではない。 一応、家庭の事情……なのかもしれないが。 マートルの親は二人とも元気だし、……今でもバカがつくほどのラブラブカップルだ。 その両親が一週間ほど前にいきなり、 『マートル、世の中では可愛い子にはなんとやらっていうらしいぞ。さあ、そういうことで行ってらっしゃい』 ……と、まあどういうことかわからないまま大ッッ変な旅が始まった。 あのラブラブバカッポーは新婚気分丸出し旅行にでもいってるのだろう。
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