第1章 少年とイノシシと

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それにしても、もう一週間何も食べてないよ……嘘だけど。 あの親切バカッポーは初日の朝の弁当と昨日までの食料を渡してくれた。 あれからちょうど一週間、何も考えず普通に三食お腹いっぱい食べた結果……昨日の夜で食料が底をついた、普通に。 うかつだ、もうちょっと頭使うべきだった。このままだと餓死するよ……うぅ。 帰りたい、というか帰っちゃえ!! ……帰るにしても、まずはこんな所出なくちゃ。 「よし、帰ろう!早くこんな所から出るんだ、オー!!」 と、アホみたいに右手を宙に突き出した瞬間、 「だー!うるっせーなー、さっきから。仕事の邪魔だ」 背後からいきなり声がしたから、咄嗟に振り返ってみる。そこには自分と同じくらい―恐らく16、7―の少年が立っていた。 人を睨んでいるような鋭いネコ目が怖い印象を抱かせる。どうやら、背中に弓矢を装備しているようだ。 ラッキー♪テキトーなコト言って外までついてこ。
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