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─昼休み─
お昼を一緒に食べないかとシキ君を誘ってみたけど、あっさり断られ彼は教室を出て行った。
アタシはいつも一緒に食べている鈴の前の席に座り、お弁当を広げた。
鈴は雑誌片手にパンを食べてたけど、
「ツッキーは優しいね」
とアタシの頭を撫でた。
そこに悪友の加藤恭介がやって来た。
「お前がそこまで転校生の面倒みる事ないと思うぞ」
って言いながら、アタシの弁当の卵焼きをつまみ食いした。
アタシは恭介の頭をチョップした。
「イテッ…」
恭介としばらく言い合っていると
「ねぇこの人カッコイイ~!」
鈴が突然ハイテンションで、雑誌をアタシに向けた。
覗くと確かにすごいイケメンだった。
見出しを見ると
『若き天才発明家 桐生志輝(16)』と書いてある。
鈴が言うには、この雑誌のモデルなんだけど、発明家になりたくて頑張ってる人らしい。
へぇ~ 同じ歳なのに天才発明家なんてスゴイ!!
でも…どこかで見たような…?
「───!!」
この間キスしてきたヤツに似てる!
「どうしたの?ツッキー顔赤いけど、もしかしてタイプ?」
鈴がからかってきた。
「えっ!!お前こんなひょろいのがタイプなのかよっ?」
恭介も突っ掛かってくる。
「違うよ!…ただこの人最近この辺で見た事あるような…」
そう言うと、鈴は
「こんな田舎に王子様が来るワケないっしょ」と笑いとばした。
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