1-1 日 常(何時モノ毎日)

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……"カランカラン" ドアを開けると、同時にベルが渇いた音を奏でる。 大抵の店がこんな感じから始まる… コートを脱ぎながら、カウンターの一番奥の席を目指し進んだ。 ……いつもの指定席だ。 ママ 「いらっしゃい。」 落ち着いたママの声に出迎えられ、口元が軽く緩む。 桐島 「毎度、一人でごめんね。 忙しくなったらほっといて良いからね。」 常連の性(さが)なのか、心にもないことを毎回毎回、口にしてしまう。 日常からかけ離れた空間だからか、気がつけば三流のアクターに成り下がっていた。
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