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姉の妨害もあったが何とか着替え終わり、居間に向かう
そこにはちょうど朝ご飯の用意ができていた
「あ、コウちゃん。やっと起きてきた♪」
さっきまでの妨害をまるで無かったように笑顔で向かえる我が姉
「あのなぁ…実力行使で起こしたのはどこの誰だよ…」
多少呆れ気味に額に手を当てボヤく
「そんなの、全然起きてくれないコウちゃんが悪いんです。」
そう言って可愛く頬を膨らませて怒る姉。説得力ねぇー…
やれやれ、こんな調子だからあっちからこっちから婚約が殺到すんだよ
「む、コウちゃん。なんか失礼な事考えてない?」
ご名答。ふぅ、勘の鋭さも天下一品だ
「姉貴さぁ、結婚しないの?」
姉の指摘に答えるかのように自然的に質問する
自分が言うのもあれだが、姉貴はかなりの美人だ。
家事に至っては右に出るもの無し。一言で言うなれば才色兼備ってやつだ
でも…
「嫌だよ~。コウちゃんを置いて結婚なんてできない~」
そう。この姉、俺に依存しているのだ
婚約を蹴っている理由がほとんど俺関係
前にもあったな…そうそう、確か大手電気メーカー社長の息子だったな
この婚約が成立できればこの家も安泰だってのに
『私にはコウちゃんの世話をしなきゃいけないので、結婚できません♪』
と、バッサリ。
あの社長の息子さんの絶望に染まった顔。 俺は未だに忘れられない
「もうっ、私はいいの。 コウちゃんの世話するだけで十分なんだから」
「えぇー…」
なんてぇ自分勝手な姉なのかしら
「ホラ、早く食べないと遅刻するよ!」
「へーい」
これ以上話しても意味ないし…そう思いながら用意した朝飯にありつける
飯は、相変わらずの美味さだった
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