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部屋を飛び出して エレベーターに乗り込もうと廊下を走り出した時三軒先の部屋のドアが開いて下を向いていた歩と接触しようとしていた 『わっ!アブねぇ~ってあ…歩どうした?』 「あっ…和也さん… 何でもないんですよ… 失礼します。」 顔を見られたくない為に足早にドアの横を通り抜けようとしたら 急に歩の腕を掴み 部屋の中に押し込んだ 歩は押し込まれた勢いもあって 和也の家の玄関先に尻餅をついてしまいそのままうなだれて膝を抱えて肩を振るわせていた。 和也は歩の前に座り込み歩の頭を撫でながら 静かに声を掛けた。 『歩 無理に聞こうとは思わないけど 今の歩の顔を見ると独りではほっておけない顔をしているから 少しここにいろな? それとも亜貴をここに呼ぶか? どうせ亜…』 「亜貴を呼ばないで下さい… 亜貴は今智里と一緒にいて抱き合って 幸せなんだから…」 和也の話を遮り たった今見てきた情景を歩は泣き叫ぶように口にした。
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