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中学への道は既に瓦礫でいっぱいだった。真は何とかかいくぐりながら中学を目指した。
「…この先の角を曲がればっ!」
曲がった先に学校が見えた。まだ完全な形で残っている。
「学校のシェルターが…この辺りに…あった!」
大木に隠れるようにしてシェルターの入り口を見つけた。ノックすると先生らしき人が出てきた。
「…君は…?」
「日向真です。あの、ここに妹が来てませんか?」
「あぁ、君が里菜さんのお兄さんか」
「里菜を知ってるんですか?」
「私は里菜さんの担任だよ。…でも里菜さんはまだ…」
「まだ登校してなかったんですか!?」
「…あぁ」
里菜がまだ外にいる…
無意識に真は今来た道へ全速力で走り出した。
「…あ、おい!真君!危ないから戻りなさい!真君っ!!」
先生の言葉も耳に入らなかった。ただ里菜を探す事一心だった。
『クギャァァァァア!』
こうしている間にも怪物は町を破壊してゆく。
待ってろ…里菜―
自然と力がわいてきた。いつもの自分では考えられない速度で走りながら、真は里菜を改めて念入りに探し始めた。
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