漆黒の起動兵器

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東京上空― 鏡子は急いで現場に向かっていた。 起動兵器は普通飛行は出来ないのだが、今は飛行用バックパックで空を飛んでいる。その姿はまさに『ガーゴイル』の名前にふさわしい。 ガーゴイルの後方には、後で出撃したグレーの量産機『AW-R00ゴート』が三機ついてきていた。そのうち二機は肩にニ門レール砲が、残りの一機には大型のナイフが握られている。 「ハウンド1より各機へ。トム12、13は後方支援。14は私と来い。」 『『『了解』』』 鏡子の指示で全機が一定の距離を保ちながら飛行する。もうすぐ敵が射程に入る距離だ。 「サラ、『ガーベラ』を用意して…そろそろ始めるわよ…」 『了解』 全自動で背部から赤い実体プラズマサーベル『ガーベラ』が取り出され、装備された。 最近は機体のセミオート化が進み、簡単な作業はAIが担当するので、戦闘効率は格段に上がった。 他の機体も砲芯を目の前の敵へ向ける。 「…さぁ…始めるよ…」 敵が射程内に入った事を知らせるアラームが鳴り響いた。 「…発射っ!!」 掛け声と共に二機のゴートからレール砲の閃光が走った。
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