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怪物と視線が合う。
血走った真紅の瞳
鋭い牙
生きた心地がしなかった。勝ち目などない―
そう言われているかのようだった。
『クキャァァァァア!』
怪物は雄叫びと共に三本ある内の一本の首を此方に向けた。口腔内で紅い炎が揺らめいている。
殺られる―
そう思った。
炎が段々勢いを増してゆく。万事休すだ。
真はとっさに目をつぶった。
ドガァァァァァァア!!
凄まじい爆発音。
真は恐る恐る目を開けた。そして見た。
『ギュァァァァァァァァァァァァァァァァァア!』
先程まで此方を見ていた怪物の頭が跡形も無く消しとんでいる。痛みを堪え切れずしきりに首を動かして悶える怪物。
「…な、何が…起きたんだ…?」
だが真の疑問は直ぐに解決した。
東の空に四機の起動兵器が飛んでいた。真っ直ぐこちらに向かって来る。
その先頭を行く黒い起動兵器―
例の未確認の起動兵器だ。手には巨大なサーベルを持っている。
「助けに…来たのか…」
怪物が攻撃があった方角を睨む。明らかに怒りの色が見える。
『グキャァァァァァァァァァァァァァァァァア!』
怪物が攻撃を始める。
「…今のうちにっ!」
真は目の前の瓦礫と改めて向き合った。
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