漆黒の起動兵器

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朝食の味噌汁をすすりながらニュースを何気無く見ていた真は、ある報道に耳を傾けた。 『次のニュースです。昨夜未明、お台場に出現したこの巨大な怪物は、ビル・家屋数棟や道路を無差別に破壊しました。怪物は例の黒い起動兵器によって倒されましたが、自衛隊はまたもや関与を否定しています。つぎに―』 「へぇ~また出たんだあの黒いの…」 ここ最近になって今回のような怪物騒ぎがどんどん増えていた。 それとほぼ同じタイミングで謎の黒い起動兵器も目撃されるようになった。 未確認の黒い起動兵器― 起動兵器を所持しているのは自衛隊クラスの国家権力だけだ。 しかし自衛隊は関与していない…それが事実だったら一体あの起動兵器は― そこまで考えたあたりで何気無くテレビの時計に目をやると、家を出なければならない時間が迫っていることに気付いた。 「…うわっやばい!行くぞ里…」 と言いながら里菜を探すと、里菜はすでに玄関で仁王立ちしていた。 「ほら、早く行くよお兄ちゃん!」 「…はい」 何だかどうしようもない敗北感に襲われつつも、真は玄関へ向かった。 天気予報では今日は今年で一番の暑さらしい。うっとうしい一日になりそうだ。
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