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うだるような強い日差しの中、二人は小走りで通学路を進んでいた。
地球温暖化と騒がれてた時代はとっくに過ぎたはずなのにこの暑さだ。連日こんな日が続いたらたまらない。道行く人達も、この連日の猛暑にすっかり参っているようだった。
大通りに出ると、三叉路に差しかかった。里菜の中学と真の高校への道はこの三叉路で分かれている。
「じゃあねお兄ちゃん。急がなきゃ駄目だよ?」
「はいはい、わかってるよ…」
「もぅ!ちゃんと人の話聞いてよね!」
「わかってるって…じゃあ」
いつものように軽く手をあげてわかれた。
人の数が増える。時計を見るともう八時をまわっていた。遅刻ギリギリだ。
『マズイ…学校まではどう見積っても20分はかかる。30分までに着くには―』しかしそう考えている間にもどんどん時間は過ぎてゆく。とにかく急がなければならない。
「…とにかく走る…ッ!」
真は道行く人達を上手くすり抜けながら、学校へと急いだ。
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