3人が本棚に入れています
本棚に追加
/29ページ
所変わってここは東京湾。港としての機能はとうに無く、今は一般企業の倉庫が立ち並ぶ人気の無い場所だ。
その倉庫の一つに、一台の大型トラックが近づいて来た。一般の大型トラックより二~三倍は大きい。
トラックが中に入り扉が閉まると、自然と電気がつき地下へと下降を始めた。
『名前ト階級ヲドウゾ…』
無機質な声に運転手は答えた。
「葛城鏡子、階級は曹長よ」
その声に反応して、指紋認証、眼底認証がスムーズに行われる。
ここは表向きはただの倉庫でしかないが、実は鏡子の所属する独立軍事組織『PURIFICATION』が所有する最新鋭の地下軍事基地である。自衛隊からの依頼により極秘で集められた先鋭部隊で、その存在は公にされていない。
自衛隊が大々的に行えない軍事行動を主とした部隊で、今は東京に度々現れる怪物から町を守っている。
『全テノチェックガ完了シマシタ。オ帰リナサイ曹長ドノ…』
エレベーターが停止し、何重もある扉が自動で開いてゆく。トラックの運転を任せて鏡子は積み荷のハッチを開けた。
直立不動の姿勢のまま横になった黒い機体―
『AW-X01ガーゴイル』が静かに横たわっていた。
「お疲れ『相棒』…」
『二人』を乗せたトラックは施設の奥へと進んだ。
最初のコメントを投稿しよう!