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奥へ進むと大きく開けた場所に出た。東京ドームなどすっぽり入ってしまうぐらいの広さだ。
ここは起動兵器専用の格納庫である。やけに広いのは大きな起動兵器に十分な作業スペースを確保するためである。
「お~し、そこで停めてくれぃ!」
一人の中年風の男がトラックに駆け寄って来た。
彼はここの整備主任である大江健司少尉である。起動兵器を整備して20年というベテラン整備師で、階級を気にしない性格から周りから『ケンさん』の愛称で呼ばれている。
「ケンさん、一仕事終えて来たよ」
「おぉ~鏡子か!待ってたぞ!さ、ガーゴイルを見せてみろ」
彼は隅々まで機体を念入りにチェックしていった。専用の機械もあるのだが、彼曰く『あれは下っぱの使うもの』だそうだ。
「…ん、目立った外傷は無いが…こりゃ随分と汚れちまってるな…」
機体には緑色の液体がこびりついていた。昨日の怪物の体液だろう。
「落とすのにどのぐらいかかる?」
「…まぁ一時間もあれば十分だ。その間に休んでな。おぃ!お前ら仕事だ!」
威勢の良い掛け声と共に若い整備師達が作業を始める。
「一時間か…とりあえず休むとするか…」
鏡子はとりあえず休む為自室に足を進めた。
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