いつもの朝

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オレゴン州にある田舎町に、僕は住んでいた。 両親共に教師である我が家は朝が早く、僕は何時も母が起こしに来るまで、布団の中で陰欝とした気持ちを持て余していた。 朝は嫌いだ。 眩しく差し込む朝日も僕の心までは届かない。 重く、重量感のあるそれは、何時も僕を闇の中へと引きずり込んで行く。 言いようもない巨大な不安と、底も根拠もない絶望感の双方が意地悪く僕の上にのしかかり、僕を押し潰しす。
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